科目Aの計算問題を捨てていませんか。 実は計算問題は出題パターンが少なく、同じ型が数値を変えて出続けている分野です。 型を1つ覚えるごとに、将来の1問がほぼ確定で取れるようになる — 暗記分野より投資効率がいい。この記事では特に頻出の4パターンを、 公式と例題のセットで押さえます。
パターン①: 稼働率 — 直列は掛け算、並列は「全滅の逆」
装置が動いている確率(稼働率)の問題です。ルールは2つだけ。
直列(両方動いてはじめて動く): 稼働率 = A × B
並列(どちらか動けば動く): 稼働率 = 1 - (1-A) × (1-B)
並列の式は「全部止まる確率を求めて、1から引く」と読みます。 稼働率0.9の装置2台なら、両方止まる確率は 0.1×0.1=0.01。 よって並列の稼働率は 1-0.01=0.99。 直列なら 0.9×0.9=0.81。 「並列は信頼性が上がり、直列は下がる」という感覚も選択肢の検算に使えます。
パターン②: キャッシュの実効アクセス時間 — 加重平均
速いキャッシュと遅い主記憶を組み合わせたとき、平均でどれだけ速いかを問う型です。 正体はただの加重平均です。
実効アクセス時間 = キャッシュ時間 × ヒット率(キャッシュで用が足りた割合) + 主記憶時間 × (1 - ヒット率)
例: キャッシュ10ナノ秒、主記憶100ナノ秒、ヒット率90%
10×0.9 + 100×0.1 = 9 + 10 = 19ナノ秒
ヒット率が問われる逆算型も出ますが、式は同じです。 文字を1つ未知数に置き換えて解くだけ。 キャッシュがなぜ効くのかという仕組みの側は、 コンピュータ構成の記事で扱っています。
パターン③: MIPSと命令実行時間 — 逆数の関係
MIPSは「1秒間に何百万命令を実行できるか」です。 1命令あたりの平均実行時間と逆数の関係にあります。
例: 1命令の平均実行時間が20ナノ秒のCPUは何MIPSか
1秒 ÷ 20ナノ秒 = 10⁹ ÷ 20 = 5×10⁷ 命令/秒
= 50×10⁶ = 50 MIPS
この型の敵は計算そのものより単位の指数です。 ナノは10⁻⁹、マイクロは10⁻⁶、ミリは10⁻³。 Mは10⁶、Gは10⁹。指数の足し引きを紙に書けば、桁ミスは防げます。
パターン④: データ伝送時間 — 道幅と荷物の量
「このファイルを送るのに何秒かかるか」の型です。 回線速度は道幅、データ量は荷物。荷物÷道幅で時間が出ます。
伝送時間 = データ量 ÷ (回線速度 × 回線利用率)
例: 100Mバイトのファイル、100Mビット/秒の回線、利用率80%
データ量 = 100Mバイト = 800Mビット
800 ÷ (100 × 0.8) = 10秒
この型最大の罠はバイトとビットの換算です。 回線速度はビット/秒、ファイルサイズはバイトで出題されるのが定番。 1バイト=8ビットの掛け忘れは、選択肢に必ず「引っかけ用の答え」として用意されています。
解く順番の戦略
計算問題は1問に使う時間が読みやすい分野です。 公式が即座に浮かぶ型なら90秒で解ける。浮かばなければ、 その問題はいったん飛ばして知識問題に時間を回す方が期待値は高くなります。 時間配分の全体像は科目A攻略戦略の記事を参照してください。
頻出ミスまとめ
- バイト⇔ビットの換算漏れ — 1バイト=8ビット。伝送時間の問題はまず単位を揃える
- 並列稼働率を A×B で計算 — 掛け算は直列。並列は 1-(1-A)(1-B)
- ヒット率の掛け先の取り違え — ヒット率はキャッシュ側に掛ける。(1-ヒット率)が主記憶側
- 指数計算の暗算 — 10⁹÷10⁻⁹級の計算は紙に指数を書く。暗算は桁を1つずらします
型を覚えたらシステムの構成要素カテゴリや 基礎理論カテゴリで実戦投入してみてください。 「あ、これは加重平均の型だ」と見抜けた瞬間の手応えが、この分野の楽しさです。